不眠症の原因

精神的ストレスによる不眠

過度のストレスを抱えていたり不安に苛まれていたりしていると、血圧が上昇し、心臓がドクドク鼓動を打ち始めます。この働きは交感神経という神経が優位に働いているからです。
ストレスというのは、生体にとって心身に大きな影響を及ぼすいわば外敵にあたり、生体は敵に対して防御体制を取るため、活動に適した交感神経を優位にするのです。
このように、交感神経が高ぶっている状態では、自然に眠りにつくといことが難しくなります。眠りが浅井・夜中に目が覚めるなど、不眠症の多くはストレスが原因によるものと言えます。これを「精神生理性不眠症」といい、一過性のものと、持続性のものとがあります。
特に、神経質な人に慢性の精神緊張であったり、不安などの精神症状が加わり起こります。
このような精神状態の異常は、気付きにくく、体がそわそわしたり、緊張状態で筋肉が強ばったりした状態で現れ、不眠に発展します。
更に、もう一つ起こりうる原因が、「眠れないという不安」です。寝室に行くと今夜も眠れないのではないかと心配してしまうので、「夜」「布団」「ベッド」「枕」「パジャマ」という物が不眠と結びついて、条件反射敵に眠れないという原因となってしまうのです。

気になる方は→不眠とストレス：コルチゾール

冷え性が原因の不眠

体が温もらず眠れないという事もありますよね。最近急増しているのが、女性の冷え性による不眠症です。睡眠には体温調整が鍵といっても過言ではありません。その体温調整が上手に行えていないと、眠れない・眠っても疲労感が残るといった症状が起きてしまいます。

気になる方は→冷え性は不眠症の原因に！

概日リズムの乱れからくる不眠

概日リズムに関係する睡眠障害には「時差症候群」「睡眠相後退症候群」「非二十四時間睡眠覚醒症候群」が挙げられます。

ライフスタイルの乱れによる不眠

睡眠はライフスタイルにも左右されます。より良い睡眠を得るために自分のライフスタイルを見つめていくことを「睡眠衛生」と言っています。
例えば、部屋の明るさです。基本的に寝室・寝る前といった時間帯は部屋が明るすぎることは決して良くありません。騒音も同様です。外で救急車などの音がなっていたら気になって眠れませんよね。ましてや、ロックなど激しい音楽を聞きながら寝るというのも良くありません。
温度・湿度調整も重要です。夏場・冬場はこの調整をしっかり行わないと寝付けないといった症状に困らされます。
これらの、ライフスタイルの調整が行えないと、眠りが浅かったり、中途覚醒したりするなど、睡眠はそれを取り巻く環境によって、大きく影響されてしまうのです。
不規則な睡眠習慣を続けていると、体内時計に狂いが生じて夜眠れなくなったり、朝目覚められないといった事が起こってしまいます。

病気が原因で生じる不眠

病気と不眠は密接に絡み合っています。
特に精神病です。
神経症や躁うつ病・精神分裂病などは不眠の原因の一つです。
神経症というのは、聞きなれた言葉でいうなら「ノイローゼ」の事です。職場などの精神的な原因で極度の不安や精神緊張が起こる状態で、不眠も起こりやすくなります。
躁鬱病のうつ状態の時やうつ病時は、b眠りが浅くて中途覚醒が多く、早く目が覚めて朝まで寝床の中で悶々と考え込んで絶望的な気持ちに陥ってしまうといのが特徴的です。
また、朝早く目覚める早朝覚醒もうつ病による不眠の特徴の一つです。
精神分裂病（統合失調症）は思考や感情、人格などに障害が生じるもので、普通思春期から青年期に多く発病します。生活が不規則になって夜も眠れなくなります。
上記のような精神疾患以外にも不眠の原因となる物があります。
脳出血・パーキンソン病・認知症など、脳の障害をもたれた方は不眠と深く関係していると言われています。更に、病気の治療で使用される薬関係によって、不眠を引き起こすこともあります。