温度・湿度と睡眠の関係|睡眠障害でお悩みの方へ - 不眠症解消.COM
蒸し暑い夏の夜は、冷房をつけないとなかなか寝付けません。そもそも、暑いと眠れなくなるのは、睡眠が体温と密接な関係にあるからです。夜間睡眠の前半に体温は低下していくことで、睡眠が始まっていくので、暑いと体温が低下しにくくなり、眠れなくなるのです。
裸になって寝具を用いずに眠る場合は、室温を29℃に設定すると、暑くも寒くも感じることなく、よい睡眠をとることができます。この温度を中性温度と呼びます。熱帯夜を想定して、室温を中性温度よりも高い35℃、湿度75%に設定して、裸で寝るという検証において、高温多湿な環境のため放熱できず、夜間にも関わらず体温低下がほとんど起こらなかったとあります。睡眠も極端に妨害されました。全夜にわたって中途覚醒が増え、睡眠が細かく分断されています。徐波睡眠はほとんど出現せず、レム睡眠も減少しました。
1日の最低気温が25℃を超える熱帯夜は、気温が高くて放熱しにくいので、体温が下がりにくく、そのため寝苦しくなります。特に、コンクリートやアスファルトなどの人工的な建造物が多い街中では、緑豊かな郊外に比べて気温が高い、いわゆるヒートアイランド現象が起こっています。街中では、夜になっても気温が下がりにくいことや熱帯夜が数日間続くこともあるので、都会では冷房なしに夏の夜を過ごすことはほとんど不可能となります。
日本の夏で問題なのは、気温だけではありません。湿度が高いことも睡眠に大きな影響を及ぼしています。通常、徐波睡眠中に発汗することで夜間睡眠の前半に体温低下が促進されますが、湿度が高いと汗をかいても蒸発しませんので、体温低下が起こりにくくなります。実際、裸のままで室温を29℃にした中性温度で眠った場合、湿度を50℃から75℃へと上げると、夜間睡眠中であるにもかかわらず、体温は約0.1℃上昇しています。さらに、室温を35℃に設定した場合、湿度を50%から75%に上げると、体温は約0.4℃しています。このような高温多湿な環境下では、体温が全く低下しませんので、ほとんど眠れません。しかし、この逆に、室温が同じで35℃でも、湿度を75%から50%に下げると、睡眠内容はかなり改善されます。徐波睡眠は長く続くようになりますし、レム睡眠の長さは中性温度の場合とほとんど変わらなくなります。これらのことからも熱帯夜の対策としては、単に室温を下げるだけでなく、湿度を下げることも重要となります。
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寝具を用いて眠った場合、最も寝心地のよい室温は16~19℃です。寝床内気候が10℃より下がると睡眠が妨害されますので、布団の中が10℃以下にならないようにすることが必要です。また、湿度は冬でも50~60%が理想です。
寒いと交感神経系活動が高まるだけでなく、手足の抹消血管が収縮しますので、皮膚からの放熱が起こりにくくなります。その結果、覚醒が高まり入眠が妨害されます。そこで、就床直前にぬるめのお湯にさっとつかるか、手足を軽く温めると寝つきが良くなります。古くから、頭を冷やして足を暖めるという「頭寒足熱」が健康に良いと言われてきました。実際、手足を温めることで抹消からの放熱を促すと同時に、頭を直接冷やすことで脳の温度(深部体温)を下げると、寝つきが良くなり、睡眠が促進されます。ただし、体が温まりすぎると、体温が上昇して覚醒レベルが高まります。その結果、かえって眠りにくくなりますので、就床直前に熱いお湯につかることや、長時間の入浴は避けるべきです。
寝るときに手足の温度をあげる方法として、電気毛布や電気アンカも有効です。ただし一晩中、布団の中を暖め続けると、布団の中の寝床内気候は夏の高温環境と同じになります。体温が下がりにくくなり、睡眠が妨害されます。そこで、電気毛布や電気アンカは、寝る前までにスイッチを入れて布団の中を暖めておき、寝るときにはスイッチを切るようにします。そうすれば、就床時は布団の中が暖かくて皮膚温が上がりますから、体から放熱しやすくなり、入眠が促進されます。寝ている最中には布団の中の温度が徐々に下がっていきますので、睡眠を妨害しません。
寒冷地の場合では、部屋全体を暖めようとすると暖房費がかさみますから、特に高齢者では、夜は布団の中だけを暖めようとする傾向があります。電気毛布や電気アンカを使うだけでなく、下着や寝具を重ねることで対処しようとします。しかし、高齢になると頻尿になりやすいので、夜間でもトイレに行く回数が増えます。暖かい寝床から出るたびに低温にさらされることになりますので、血管が急に収縮し、血圧が急上昇します。このように、体に大きな負担がかかるばかりでなく、トイレに行っている間に手足が冷えますので、再入眠しようとしても寝つきが悪くなります。経済的な問題もあり、寝室全体を暖めるのは難しい場合もありますが、夜間でもなるべく寝室の温度を16℃以上にたもつようにしたほうが良いでしょう。
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