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嗜好品と睡眠の関係|睡眠障害でお悩みの方へ - 不眠症解消.COM
コーヒーやお茶に含まれるカフェインの量は、生産地や製法、コーヒー豆や茶葉の種類、使用量、湯温、抽出時間、抽出量など様々な要因で異なり、正確に推定することは困難ですが、およそコーヒー1杯で60~80mg、紅茶1杯で20~40mg、緑茶1杯で30~50mg含まれています。また、コーラなどのソフトドリンクに添加されたカフェイン量は350ml缶で40~50mgです。
お茶には鎮静効果のあるテアニンが含まれていますので、寝る前にお茶を飲むと気分が落ち着きます。しかし、お茶に含まれるカフェインは睡眠を妨害しますので、就寝前の摂取は控えるべきです。カフェインの主な薬理作用は、アデノシンA1およびA2受容体の遮断です。アデノシンA1、A2は、報酬系のドパミン作動性神経を抑制しますので、この作用を阻害するカフェインは、報酬系を興奮させ、覚醒を高めます。また、アデノシンA2は、視床下部にある腹外側視索前野に作用してノンレム睡眠を発現させます。カフェインはこの作用を阻害しますので、睡眠が妨害されます。さらに、カフェインは強心作用と血管拡張作用を持ちます。これによって腎臓を通過する血液量も増大しますので、尿量が増え、利用作用が起こります。このように、カフェインを摂取すると、中枢神経系活動の興奮によって入眠困難が生じるとともに、利尿作用によって頻尿が起こり、中途覚醒も増加します。
健全な成人では、カフェインの血中濃度の半減期は2.5~4.5時間ですので、少なくとも寝る4時間前からは、カフェイン飲料を飲むのは控えたほうが良いということになります。ただし、体内における半減期は年齢や肝機能によって異なります。肝機能障害があると代謝が著しく遅れ、半減期も延長します。子供や高齢者は肝機能が低く、カフェイン代謝が遅れますので、夕方6時以降はカフェイン摂取を控えるべきです。さらに、胎児や乳児では肝臓の代謝機能が未完成であるため、カフェインの効果が強く、長時間持続します。カフェインは母乳にも排出されますので、妊娠中や授乳中はカフェインの摂取を控えるべきです。
ニコチンは、骨格筋の神経筋接合部や自律神経系の神経節、そして中枢神経系に広範囲に分布するニコチン性アセチルコリン受容体に作用します。この受容体は、神経と筋肉間や神経間のシナプス伝達を調整しています。この受容体にアセチルコリンやニコチンが結合すると、骨格筋では、筋肉が収縮し、中枢神経系では、アセチルコリン、ノルアドレナリン、ドパミン、セロトニン、バソプレッシン、成長ホルモン、副腎皮質刺激ホルモンなどの複数の神経伝達物質の放出が促進されます。このようにして、ニコチン摂取によって大脳皮質全体に覚醒がもたらされます。また、ニコチンは黒質線条体と中脳辺縁系のドパミン作動性ニューロンにも結合し、これによって脳では快感情が生じますので、気分や認知機能が向上するとともに、依存性が形成されることになります。また、ニコチンを摂取すると、血管収縮により血圧が上昇し、心拍数も増加します。
ニコチンは、喫煙によって肺胞壁を通過し、肺の毛細血管から急速に吸収されます。血中濃度は数分でピークに達します。大脳でのニコチン濃度は喫煙後、急激に増加し、20~30分かけて減少します。5~10%はそのまま尿中に排泄され、そのほとんどが肝臓で分解されます。分解速度には個人差がありますが、体内における半減期は平均2時間です。
ニコチンは、非喫煙者においても、喫煙者においても、入眠潜時の延長や中途覚醒の増加をもたらし、睡眠を悪化させます。眠れないときにタバコを吸うと快感情が生じ、気分が落ち着きます。しかし、同時に覚醒が高まり、さらに眠れなくなります。ニコチンの半減期を考慮すると、就床2時間前には、喫煙は控えたほうが良いでしょう。
アルコールは、中枢神経抑制作用を持ちます。興奮性神経伝達物質であるグルタミン酸のNMDA受容体を抑制すると同時に、抑制性神経伝達物質であるガンマアミノ酪酸(GBGA)受容体を刺激します。これによって、鎮静・催眠作用をもたらします。
一般に、適量のアルコールは入眠を早め、徐波睡眠を増加させます。しかし、アルコールの代謝と排泄は素早く行われるので、睡眠後半にはアルコールの血中濃度が低下し、離脱傾向が現れます。睡眠が浅くなり中途覚醒が増えるとともに、レム睡眠が増加します。夢や悪夢が増え、交感神経系活動が高まり、頻脈や発汗が生じます。このように、アルコールは睡眠の前半には入眠を促進しますが、睡眠後半では睡眠内容を悪化させます。
快眠のための寝酒が、現実には睡眠を妨害していることになります。睡眠薬代わりに寝酒をたしなんでいる人は多いのですが、アルコールは睡眠薬代わりにはなりません。また、飲酒を続けているとアルコールに対する耐性が上昇し、催眠作用が低下します。飲酒しても十分な睡眠が確保できなくなり、不眠が発生します。このような不眠を解消するためには、酒量を増やすことが必要となり、アルコールに対して依存性が促進されることになります。アルコール依存症患者では、徐波睡眠はほとんど出現せず、中途覚醒や体動が頻繁に起こり、睡眠が細かく分断します。しかし、飲酒を突然中断すると、強い不眠のほか、振戦、発汗、幻覚、痙攣発作、見当識障害など、種々の離断症状が発生します。
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